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サステナビリティ
VSMEレポート:中小企業の具体的な作成例
VSME基準の基本モジュールの内容を、架空の製造業の中小企業を例に解説します。11の開示項目、集めるべきデータ、避けたい落とし穴がわかります。
大口顧客からはサステナビリティに関する質問票が届き、取引銀行からは温室効果ガス排出量を尋ねられ、別の顧客からは人事方針の提出を求められる。VSME基準を使えば、1つのレポートでそのすべてに対応できます。EFRAGが2024年12月に公表し、欧州委員会が2025年7月30日に推奨したこの基準は任意のもので、従業員250人未満の非上場企業を対象としています。
以下は、説明のために作成した架空の中小企業を例に、基本モジュールの内容を示したものです。
事例:Duval Mécanique
Duval Mécanique(架空の企業)は従業員42名で、航空宇宙向けの部品を機械加工しています。発注元の2社からサステナビリティに関するデータを求められており、設備融資を申し込んだ取引銀行からも同じ依頼が来ています。
基本モジュールの11の開示項目
基本モジュールには、B1〜B11の番号が付いた11の開示項目があります。
- B1(作成の基礎):対象範囲(1拠点)、対象期間(暦年)、選択したモジュール。
- B2(取り組み、方針、今後の施策):すでに実施していること。たとえば、金属端材の削減計画などです。
- B3(エネルギーと温室効果ガス排出量):電力とガスの使用量、スコープ1・2の排出量。
- B4(大気・水・土壌の汚染):汚染物質の報告がすでに義務づけられている場合のみ。
- B5(生物多様性):生態系の保全上重要な地域の内部またはその近くにある拠点。
- B6(水):取水量と、水を多く使う事業の場合はその消費量。
- B7(資源利用、サーキュラーエコノミー、廃棄物):廃棄物の発生量と、再資源化された割合。
- B8(従業員の一般的な特性):従業員数、雇用契約の種類、その内訳。
- B9(安全衛生):労働災害。
- B10(報酬、団体交渉、研修):賃金格差、労働協約の適用範囲、研修時間。
- B11(汚職に関する有罪判決と罰金):該当する事例があったかどうか。
包括モジュールでは、戦略、気候リスク、従業員に関するより詳しい内容について、9つの開示項目が加わります。銀行や大口顧客から求められた場合に役立ちます。
集めるべきデータ
Duval Mécaniqueの場合、必要なデータの大半はいくつかの資料から集められます。
- 1年間の電力とガスの使用量の記録
- 車両の燃料使用量
- 廃棄物回収業者が発行する廃棄物の管理票
- 従業員数、労働災害、研修に関するデータ
- すでに文書化されている方針(短いものでも構いません)
スコープ1・2の排出量は、エネルギー使用量をもとに、ADEMEのBase Empreinteなどで公開されている排出係数を使って算定します。
避けたい落とし穴
- **推計であることを明記しない。**欠けているデータはその旨を示し、推計値には算定方法を説明します。
- **大企業グループのレポートを真似る。**VSMEは、簡潔で企業規模に見合った内容にとどめるよう設計されています。
- **毎年、対象範囲を変える。**年ごとに比較できるよう、同じ対象範囲を維持します。
御社の資料をもとに、算定も含めてVSMEレポートを作成します。詳しくはVSMEレポート作成サービスをご覧ください。